ミニチュアピンシャーの性格を一言で表現するなれば、
「番犬」もしくは「ガードドッグ」。
家族に対しては非常に高い忠誠心をみせ、
見知らぬ人に対しては強い警戒心を抱き、簡単には懐柔されません。
その性格を利用して、アメリカでは車の盗難防止のために
乗せられていたこともあるのだとか。
今日においても、このキャラクターは健在。
体の小ささをものともしないジャンプ力と高い運動能力、
うなり声で敵を撃退します。
家族への愛情は深く、一家に人間の赤ちゃんでも生まれた日には
ミニチュアピンシャーもてんてこまい。
「おかあさん、赤ちゃんのオムツがぬれてるよ?」
「泣いてるよ、泣いてるよ、来てってば!」
などなど…実に的確に状況を把握し、
赤ちゃんのお世話に一役かうミニピンもいるほどです。
当然家族を守る気合も十分で、
散歩中に知らない人が「かわいい赤ちゃんねえ」と手でも出そうとしたら…
赤ちゃんを守ろうと飛び掛っていったりもします。
またミニチュアピンシャーは、非常に頭のよい犬でもあります。
あまりに賢すぎて、頭に「ズル」がついてしまうことも。
「誰も見ていなければ何やってもいいじゃ〜ん」
「これは先に手でよけて、鼻で押さえておけば…ほら、外れた」などなど…。
もう、イタズラをさせれば
右に出るものはいないのじゃなかろうかと思うほど。
しかも、反省するフリまで上手なのですから…
ミニピンの頭のよさには脱帽です。
彼らはテリア気質もそなえており、
気にいらないことがあると飼い主にすら「バクッ」とくることが。
賢さ、小型、攻撃性がわざわいして、
ミニチュアピンシャーは注意しないと
アルファシンドロームに陥りやすい犬でもあります。
それにしても、ミニチュアピンシャーとの暮らしは、
とても犬を飼っているとは思えません。
まるで、人間と一緒に暮らしているよう。
言葉もよく理解するので、うなってキバでも見せてきた日にゃ、
ついこっちも本気になって犬と「口ゲンカ」してしまうことも…
おとなげない話ですが、だって相手が犬にしちゃ賢すぎるんです。
ミニピンを飼い始めたら最期。
これほど魅力のある犬はほかにない、もうミニピンしか考えられない。
こんな病気に冒されてしまうこと間違いありません。
トイプードル
チワワ
ミニチュアシュナウザー
パグ
ジャックラッセルテリア
最近はチワワと見まがうような軽量のミニチュアピンシャーも見かけます。
けれども散歩で歩いている姿を見ると、
遠くからでもすぐに判別できるかもしれません。
ミニチュアピンシャーは独特の歩き方をするものが多く、
「ハクニー歩様」とも呼ばれたりします。
前足を高く上げて歩く様子は、
とってもご機嫌のよい雰囲気がして、たいへん愛らしいものです。
手足はスラリと長く、ボディは筋肉で引き締まっています。
首は長く、顔も割と長い印象です。
体高は25〜30センチが理想とされています。
体重は4〜6キロ。
チワワほど小型軽量のミニピンはショーの世界では通用しません。
ミニチュアピンシャーは本来耳が大きく、尻尾の長い犬。
日本では断耳こそ最近行われなくなってきましたが、断尾の習慣はまだ健在。
尾が短いミニピンがほとんどです。
これらは海外では動物愛護の観点からどちらも行わない方が普通です。
ミニチュアピンシャーとよく似た犬にトイマンチェスターテリアがいます。
こちらは断耳断尾を行わないので、
見慣れないと判別に苦労するかもしれません。
両者には決定的な違いがスタンダードで定められており、
たとえば
・ミニチュアピンシャー:ペンシルマーク・無&サムマーク・無
・トイマンチェスターテリア:ペンシルマーク・有&サムマーク・有
あたりが有名ですが、
最近はミニピンにどうもこのあたりが適当な犬がふえている様子です。
ちゃんとそれぞれ別の犬として
袂(たもと)が分(わ)けられている犬種なのですから、
これから飼いはじめる時にはこのあたりも気にして選びたいところです。
ボストンテリア
マルチーズ
ポメラニアン
ダックスフンド
ゴールデンレトリーバー
日本最大のケンネルクラブ、JKCで
ミニチュアピンシャーにスタンダードで認められている毛色は3つのみ。
・レッド:レディッシュ・ブラウンからダーク・レッド・ブラウンまで。
・ブラックアンドタン:
黒をベースとして、レッドまたはブラウンの斑(タン)が入る。
タンの位置は目の上、喉の下側、パスターン、足、
後脚の内側及び尾の付け根下。
胸には 2つの明確に分かれた三角形が描かれる。
・チョコレートアンドタン:
ミルクチョコレート色をベースとして、
レッドまたはブラウンの斑(タン)が入る。
斑(タン)の位置その他はブラックアンドタンと同様。
この、「斑(タン)の位置」は
ミニチュアピンシャーにとって大切なものです。
毛色は遺伝子によって定められています。
その遺伝子が引き起こす配色の差異によって、
ミニチュアピンシャーとトイマンチェスターテリアが
別の犬としてはっきり区別されているのです。
ペンシルマークはミニピンにはあってはならないものです。
これは鉛筆のように、肢首から指先にむけて走る
黒(チョコレート色)のラインです。
サムマークも同じくあってはならないもの。
前肢首の上あたりにある黒(チョコレート色)の小さな斑のことで、
ダイヤモンドとも呼ばれます。
両者の区別はこれだけではありませんが、
最近特にこのあたりの厳格さが緩んでいるミニピンが目立ちます。
できるだけスタンダードに沿った子を飼育するのも、
ミニチュアピンシャーという犬種を大切に思い、
その想いを未来につないでいくことになるのです。
最近はミニチュアピンシャーにも新しい色が増えてきました。
けれども遺伝子病などの観点から、専門家達はこれに警鐘を鳴らしています。
「珍しい」「レアカラー」という言葉は誤りであるとすら明記されています。
将来的には認められるカラーもあるかもしれませんが、
それまでは個人の趣味の域をでない程度の
飼育にとどめるべきとのことなのでしょう。
最近少々みかけるようになってきた
「ブルーアンドタン、フォーン、イザベラ」等はミスカラーの代表格。
他のカラーも合わせると、計11色ほどが
ミスカラーとしての烙印を押されています。
柴犬
ビーグル
キャバリア
フレンチブルドッグ
コーギー
ミニチュアピンシャーが今までもっとも役立ったといえば、
やはり番犬に尽きるのではないでしょうか。
アメリカでは車が盗難にあわないよう、
ミニピンを乗せている人も多かったようです。
それだけではなく、なんと麻薬取引現場にもミニピンが。
怪しい人…って、この場合ポリスマンでしょうが、
ご主人様にアダをなしそうな人間を見いだす能力と、
けなげな家族愛でご主人様を守ろうと奮闘するためでした。
今日(こんにち)では番犬としての能力を保ちながら、
家族の一員として愛される、愛玩犬としての地位を確立しています。
2008年、JKCの登録犬数ランキングでは、ミニチュアピンシャーは14位。
7176頭を数えます。
ちなみに15位はラブラドールレトリーバー、13位はパグだとか。
JKCに登録せずに飼育している人もたっぷりといることを考えると、
実際の頭数はこれどころの騒ぎではないはずです。
世界を見渡すと、ミニチュアピンシャーはショーの世界で、
負け知らずの王者として君臨していたこともあります。
実務(?)だけでなく、美的業務(??)でも大活躍だったようです。
運動能力の高いミニチュアピンシャーは、
アジリティーなどドッグ競技の場に登場すること多数。
もはや常連です。
最近密かにブームのペットモデルにも、ミニピンが多々登録されています。
きっと今にドラマや映画で有名になる
ミニチュアピンシャーもでてくるに違いありません。
ブームといえば、忘れてならないのが「デカ」ピン。
小さいことが特徴で、「ミニチュア」ピンシャーと名づけられているこの犬。
ショーでは6キロまでとの規定が。
それなのに、デカピンは8キロ9キロあたりまえ、中には12キロなんて子まで。
「ドーベルマンは無理だけど」
→小さいとチワワみたいだけれど、
大きいミニチュアピンシャーはまるで小さなドーベルマン。
「小型犬限定のマンションだけどほんとはちょっと大きい犬がいい」
→ミニピンは小型犬なのでっ!というのは間違った言い訳ではありません。
…うん、デカピンって、大きい犬を飼いたくても
飼えない人にとってはまさに手ごろな感じ。
人気がでるのもうなずけます。
チワワと見まがうような可愛らしいサイズの
ミニチュアピンシャーも捨てがたいですが、
スタンダードから逸脱しまくったデカピンも
カッコよさバツグンだったりします。
ラブラドールレトリーバー
ボーダーコリー
パピヨン
シーズー
ヨークシャーテリア